●マテリアル：ゴートスキン　●タンニング：ベジタブル　●フィニッシュ：ラッカー　●襟ボア：1/2インチシャーリングシープムートン　●ファスナー：タロン社製ブラスジッパー　●ボタン：MIL規格尿素　●スナップボタン：MIL規格ブラス製　●ラベル：バズリクソンスポーツウェアネーム

アメリカ海軍航空隊を象徴するジャケットタイプG-1は、現在でも海軍および海兵隊のアビエーターたちに愛用されている、息の長いフライトジャケットである。このG-1 "VMF(AW)-312 Model"は、そのなかでもベトナム戦争のはじめに活躍した、第312海兵（全天候）戦闘飛行隊のパイロットたちが愛用したものを再現したモデルである。VMF(AW)-312の前身はVMF-312といい、1943年6月1日に創隊された伝統ある飛行隊である。創隊当初から部隊使用機には、黒と白2色の市松模様がエンジン・カウリングに塗装されていたことから、部隊のニックネームも"The Checkerboards"となった。第二次大戦では太平洋戦線で日本軍を相手に戦い、終戦時には沖縄の嘉手納基地に駐留していた。朝鮮動乱には勃発直後から出動し、動乱初期には日本の伊丹基地（現：大阪空港）から作戦にあたっていた。VMF-312は朝鮮動乱の全期間を戦い抜き、多くの犠牲 を払いながらも、地上部隊の援護や対地攻撃に活躍したのである。アメリカ合衆国がベトナムでの紛争に関与し、次第にエスカレートし始めた1965年12月、「ザ・チェッカーボーズ」たちも南ベトナムのダナン航空基地（当時）に赴いた。この頃、彼らはチャンスボートF8U-1E「クルセーダー」戦闘機を使用しており、限定的ながら昼夜、悪天候を問わず任務をこなすことができるようになったことから、部隊名称もVMF(AW)-312と改称し、全天候を表す"All Weather"の頭文字をカッコ付きで書き加えていた。VMF(AW)-312はダナン基地から南ベトナム領内に連日のように出撃し、ヘリボーン作戦の援護や地上攻撃といった任務に従事した。ベトナムで任務を終えたザ・チェッカーボーズは、その後アメリカ本国での防空任務などに従事するなど、海兵隊航空戦力の一翼を担って活躍し続けた。使用機も時代と共に乗り換えていき、F8UからマクダネルダグラスF-4「ファントムII」の各型へと乗り継ぎ、1987年にはボーイングF/A-18「ホーネット」へと替わった。部隊名称もVMFA-312と改称され、現在に至っている。ザ・チェッカーボーズは、現在もアメリカ海兵隊の戦闘攻撃飛行隊の一つとして活動を続けており、昨年は空母「エンタープライズ」に搭載されて、地中海、中東方面への戦闘航海に参加した。G-1"VMF(AW)-312 Model"は、ザ・チェッカーボーズが1965年にベトナムの地に赴いた頃のパッチ・アレンジを再現している。右胸には同隊のエンブレムを付け、左胸には当時の標準的な革製ネームプレートを付けている。右肩に当時の彼らの使用機である「クルセーダー」戦闘機を表すパッチを付け、左肩にはアメリカ国外に遠征する飛行隊で良く見受けられた星条旗のパッチを付けた。背中には当時の上級部隊であるMAG-11（第11海兵航空群）と、当時ベトナムに派遣された海兵航空部隊の間で人気のあった「ヤンキー・パイレーツ」のパッチを付けている。なお海兵隊では、現在はフライトジャケットに付けるパッチを、飛行隊エンブレムと使用機程度に止めるよう指示しており、このVMF(AW)-312モデルのように様々なパッチをフライトジャケットに付けていたのは、ベトナム戦争たけなわの1970年代中頃までである。

Buzz Ricksons BR80097 G-1

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